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妊娠中でも運動して大丈夫?運動を始める前に知っておきたいこと
「妊娠したら、なるべく動かないほうがいいのかな?」と不安になる方もいるでしょう。妊娠中の運動は一律に禁止されているわけではなく、妊娠経過や体調に問題がなければ、適度に体を動かすことは健康維持・増進に役立つ可能性があると言われています。
ただし、妊娠前と妊娠中では体の状態が違います。「今まで運動していたから大丈夫」と考えるのではなく、その日の体調を優先することが大切です。
妊娠経過が順調なら適度な運動を取り入れられる
「妊娠中でもできる運動で、おすすめはありますか?」と聞かれた場合、まず確認したいのが妊娠経過です。
日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会のガイドラインでは、妊娠中の適度な運動は健康維持や増進に役立つ可能性がある一方、新しく定期的な運動を始める前には、医学的・産科的な問題がないことを確認するよう示されています。
最初から長時間頑張る必要はありません。「今日は少し散歩してみよう」くらいから、体調を見ながら始めるとよいでしょう。
妊娠中に運動するメリット
妊娠中はお腹が大きくなるにつれて活動量が減り、「以前より体を動かさなくなった」と感じることがあります。適度な運動には、健康維持・増進への効果が期待できると言われています。
一方で、「運動すれば妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群を必ず予防できる」という意味ではありません。ガイドラインでも、こうした予防効果については十分な根拠がないとされています。
「健康のために無理なく動く」という考え方で取り入れるのがポイントです。
運動を始める前に医師へ確認したほうがよいケース
「少しくらいなら大丈夫」と自己判断するのは避けたいところです。
切迫流産・早産、前期破水、性器出血、前置胎盤・低置胎盤、妊娠高血圧症候群などがある場合には、妊娠中の運動をすすめないとされています。また、医師から安静や運動制限を指示されている場合も、その指示を優先してください。
とくに妊娠してから新しく運動を始めたい方は、健診の際に「この運動をしても大丈夫ですか?」と具体的に確認しておくと安心です。
引用元:日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会
産婦人科診療ガイドライン―産科編
妊娠中でもできるおすすめの運動7選
「運動してもいいと言われたけれど、何をすればいいの?」と迷いますよね。妊娠中は記録や運動強度を追い求めるより、無理なく続けられる運動を選ぶことが大切です。
取り入れやすい運動としては、ウォーキング、散歩、マタニティヨガ、軽いストレッチ、妊婦体操、水泳・マタニティスイミング、エアロバイクなどが挙げられます。ただし、妊娠週数やこれまでの運動経験によって適した内容は変わります。
ウォーキング・散歩
「特別な道具を用意するのは大変」という方なら、ウォーキングや散歩から考えてみてもよいでしょう。
近所を歩く程度なら日常生活にも組み込みやすく、自分の体調に合わせて時間や距離を調整できます。「30分歩かなきゃ」と決める必要はなく、疲れを感じたら早めに切り上げることが重要です。
また、お腹が大きくなるにつれて重心も変化します。段差や滑りやすい道を避け、転倒しにくい場所を選びましょう。
マタニティヨガ・ストレッチ・妊婦体操
ゆっくり体を動かしたい場合は、妊婦向けのヨガやストレッチ、妊婦体操という選択肢もあります。
ただ、「ヨガなら何をしても安全」というわけではありません。妊娠中は長時間の仰向け姿勢など、避けたほうがよい姿勢もあると言われています。
動画などを見ながら行う場合も、一般向けではなく妊婦向けに考えられた内容を選び、無理に体を伸ばさないことがポイントです。
水泳・マタニティスイミング・エアロバイクなど
泳ぐことに慣れている方なら、マタニティスイミングなども候補になります。また、転倒リスクに配慮した環境で行う固定式のエアロバイクなどもあります。
ただし、「妊婦におすすめ」と紹介されている運動でも、すべての方に適しているとは限りません。妊娠中のスポーツは妊娠経過に異常がないことなどが前提とされています。
「これならできそう」と思う運動を見つけたら、まず医師へ確認し、頑張りすぎない範囲から始めてみましょう。
引用元:日本臨床スポーツ医学会
妊婦スポーツの安全管理基準
引用元:日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会
産婦人科診療ガイドライン―産科編
妊娠初期・中期・後期におすすめの運動とポイント
「妊娠中なら、いつでも同じ運動をしていいの?」という疑問もあるでしょう。妊娠中は週数が進むにつれて、お腹の大きさや重心、疲れやすさなども変わります。
そのため、「妊娠○週だからこの運動」と機械的に決めるより、その時期の体調や妊娠経過を見ながら運動内容を調整することが大切です。
妊娠初期は体調を優先して無理をしない
妊娠初期は、つわりや眠気、だるさなどを感じる方もいます。
「運動しないと体力が落ちそう」と焦る必要はありません。体調が優れない日は休み、動けそうな日に軽く散歩するなど、その日の状態に合わせて考えましょう。
また、妊娠してから新しく定期的な運動を始める場合は、医学的・産科的に問題がないことを確認することがすすめられています。「妊娠初期だから絶対に運動してはいけない」「安定期なら何をしても大丈夫」といった自己判断は避けましょう。
妊娠中期は体調に合わせて運動習慣をつくる
妊娠中期になり体調が落ち着いてくると、「少し体を動かしたい」と感じる方もいるかもしれません。
医師から運動を止められておらず、妊娠経過にも問題がなければ、ウォーキングや妊婦向けの軽い運動などを検討できます。
大切なのは、妊娠前と同じ感覚で頑張らないこと。「昨日できたから今日も同じだけ」と決めず、疲れている日は短くするなど柔軟に調整してください。
妊娠後期は転倒やお腹への負担に注意する
妊娠後期になるとお腹が大きくなり、普段の動作でもバランスを取りづらくなる場合があります。そのため、転倒や外傷につながる可能性のある運動は避けることが重要です。
また、仰向けの姿勢を長く続ける運動などもすすめられていません。
「少し息苦しい」「お腹が張ってきた」「いつもと違う」と感じたら、そこで休むことも大切な判断です。立ちくらみや胸痛、呼吸困難、腹部緊満などが現れた場合には運動を中止し、必要に応じて医師へ相談することがすすめられています。
引用元:日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会
産婦人科診療ガイドライン―産科編
引用元:日本臨床スポーツ医学会
妊婦スポーツの安全管理基準
妊娠中の運動はどのくらい?安全に続けるための注意点
「妊娠中でも運動したほうがいいと聞くけれど、どのくらいやればいいの?」と迷いますよね。
妊娠中でもできる運動を探すと、ウォーキングやマタニティヨガなど、さまざまなおすすめが出てきます。ただ、大切なのは「たくさん動けばいい」と考えないことです。
妊娠前の運動習慣や妊娠経過、その日の体調によって適した運動量は変わると言われています。時間や回数だけにこだわらず、「今日は無理なく動けそうかな?」と体調を確認しながら続けていきましょう。
運動時間・頻度・強度の考え方
「毎日30分は絶対に運動しないといけないの?」というと、そうではありません。
日本産科婦人科学会のガイドライン原案では、海外のガイドラインを踏まえ、1日30分以上の中等度の運動をほぼ毎日、または週150分程度行う目安が紹介されています。
一方、こども家庭庁では、つわりが落ち着いた時期から体調の良い日に30分~1時間程度の軽い運動を紹介しており、妊娠前に運動習慣がなかった方は15分程度から始めるとよいとされています。
「30分できなかったから意味がない」と考える必要はありません。まずは無理なく続けられる量から始めることがポイントです。
水分補給と体調管理を忘れない
妊娠中に運動するときは、水分補給も忘れないようにしましょう。
「まだ喉が渇いていないから大丈夫」と思っていても、運動中は汗をかきます。暑い日や湿度の高い環境では、いつも以上に体調の変化へ注意してください。
また、昨日は問題なく歩けたのに、今日は疲れやすいということもあります。妊娠中は日によって体調が変わるため、「いつもと違うな」と感じた日は休むという選択も大切です。
転倒・接触・お腹に負担がかかる運動は避ける
妊娠中は、どのような運動を選ぶかも重要です。
日本産科婦人科学会では、ウォーキングやフィットネスバイク、水泳、柔軟運動などが好ましい運動として挙げられています。一方、サッカーやホッケーなど接触や腹部外傷の危険があるスポーツ、乗馬やスキーなど転倒しやすいスポーツは好ましくない、または危険な運動として示されています。
「妊娠前から得意だったから大丈夫」と決めつけず、妊娠中は安全性を優先して運動内容を見直しましょう。
引用元:日本産科婦人科学会
https://www.jsog.or.jp/activity/publication/pdf/sanka_gl2026_pc1.pdf
引用元:こども家庭庁
https://prenatal.cfa.go.jp/pregnancy-and-childbirth/body-changes.html
引用元:日本臨床スポーツ医学会
https://www.rinspo.jp/proposal.html
妊娠中に運動を控えたほうがよいケースと中止する目安
「軽い運動なら、妊娠中は誰でもやっていいの?」と思う方もいるでしょう。
妊娠中の適度な運動はすすめられることがありますが、すべての妊婦さんに同じように当てはまるわけではありません。妊娠経過や合併症の有無などによっては、運動を控えたほうがよい場合もあります。
さらに、運動を始めた時点では問題がなくても、途中で体調が変わることも。大切なのは「せっかく始めたから最後まで」と無理をしないことです。
医師から安静や運動制限を指示されている場合
医師から安静や運動制限について指示を受けている場合は、その内容を優先してください。
「ウォーキングくらいなら大丈夫かな」「ストレッチなら負担が少ないのでは?」と思うかもしれません。しかし、妊娠中の状態は人によって異なります。
日本産科婦人科学会では、切迫流産・早産、前期破水、性器出血、前置胎盤、妊娠高血圧症候群などがある場合には、運動をすすめないとされています。
そのため、安静を指示されている方は自己判断で運動を始めず、担当の医師に確認しましょう。
出血・腹痛・お腹の張りなどが現れたら運動を中止する
「少し張っているけれど、あと10分だから続けよう」という頑張り方はおすすめできません。
日本産科婦人科学会のガイドライン原案では、運動中に立ちくらみ、頭痛、胸痛、呼吸困難、下腿の痛みや腫れ、腹部緊満、下腹部重圧感、子宮収縮、性器出血、胎動の減少・消失、羊水が流れ出たような感覚などが現れた場合、すぐに運動を中止して医師へ連絡することが望ましいと言われています。
「いつもの疲れかな」と我慢せず、普段とは違う変化があれば運動をやめることが大切です。
運動してよいかわからないときは自己判断せず相談する
妊娠中は、「この程度なら大丈夫かな?」と判断に迷う場面も少なくありません。
とくに、妊娠前にほとんど運動していなかった方が新しく運動を始める場合や、過去の妊娠でトラブルがあった場合、現在の妊娠経過に不安がある場合などは、事前に担当医へ相談しておくとよいでしょう。
「ウォーキングを始めたい」「マタニティヨガに通いたい」など、やりたい運動を具体的に伝えると相談もしやすくなります。
妊娠中の運動で最も大切なのは、目標を達成することではなく、母体と赤ちゃんの安全を優先することです。体調が良い日に、無理のない範囲で続けていきましょう。
引用元:日本産科婦人科学会
https://www.jsog.or.jp/activity/publication/pdf/sanka_gl2026_pc1.pdf
引用元:日本臨床スポーツ医学会
https://www.rinspo.jp/files/proposal_11-1.pdf
引用元:こども家庭庁
https://prenatal.cfa.go.jp/pregnancy-and-childbirth/body-changes.html
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サイト監修者 柔道整復師 2006年に大阪府枚方市で「さかぐち整骨院」を開院。整骨院勤務時代を含め、長年にわたり腰痛や坐骨神経痛、姿勢の乱れなど、さまざまな身体の不調に向き合ってきました。 柔道整復師としての知識と施術経験をもとに、骨格・筋肉・筋膜・神経・身体の動かし方などを多角的に確認し、記事の内容を監修しています。 読者の皆さまが身体について正しく理解し、安心してセルフケアや専門家への相談を検討できるよう、わかりやすく信頼できる情報発信を心がけています。 【保有資格】 柔道整復師/AJCAカイロプラクター/リラクセンスボディーセラピスト/パーソナルトレーナー/食生活アドバイザー/機能訓練指導員








